「ちょっと前までは元気そうだったのに」
「去年の今頃、こんなにしんどかったっけ?」
起立性調節障害においてこういった悩みはよくありますよね。
これに対して、起立性調節障害歴の長いベテランさん達は「波があるからね、よくあるよね」と言うことがあります。
しかし一言に波といっても、場合によって異なる意味で使われていることを知っていますか?
起立性調節障害における、それぞれの「波」の意味の違いを整理しながら、理解することでどんなトラブルを避けられるかみていきましょう。
起立性調節障害の波(1)時間単位の波
1番イメージがしやすいのは、この時間単位の波でしょう。
朝はしんどくて起きられないけど夕方になるとマシになってくる、などがこれに当たります。(人によっては夜であっても、お風呂の後はしんどいという場合があります)
また起立性調節障害は気象病としての側面もあると言われており、急に気圧が低くなるとしんどくなることもあるようです。
このような1日の中で体調が良くなったり悪くなったりする、最も細かい波が時間単位の波であり、「夕方元気になるのはサボっているわけではない」ということの根拠になります。
ちなみに専門書では、日内変動と表現されたりします。
起立性調節障害の波(2)日単位の波
時間単位の波の次に細かい波が、この日単位の波になります。
台風が来て数日間しんどい、週の終わりは元気がもたない…
ということもあるのではないでしょうか。
もしくは、「明日は学校に行くつもり!」と前日は言っていても、いざ翌日になると体が動かない、なんてこともあるかもしれません。
起立性調節障害は日によっても体調が大きく変化することがあり、完全なコントロールは難しいという側面もあるのです。
数日調子がいいからと言って、ずっと続くわけでないことを示すのが、日単位の波と言えるでしょう。
「ここ数日学校に行けてたのに…」という親御さんのお話はたくさんお伺いしますし、
専門家も書籍で『起立性調節障害には気象病の側面がある』との説明をしています。
起立性調節障害の波(3)月単位の波
3つ目はやや長い期間での波、月単位の波です。
冬はまだマシだけれど夏は考えたくもないくらいしんどい。
梅雨は地獄。
ゴールデンウィーク頃から体調を崩しがち。
ということは起立性調節障害においては「あるある」ではないでしょうか。
専門書では季節変動と表される月単位の波は、人によっては冬にかけて体調が悪くなることもあり、原因は分かっていないところが多いです。
だんだん体調が良くなってきたと思っていたらまた悪くなってしまった、という事にイライラする親御さんの原因は、この月単位の波のせいかもしれません。
起立性調節障害の波(4)年単位の波
重度の起立性調節障害の場合、症状が何年にも渡ることがあります。
その時に見られるのが、この年単位の波です。
クラス替えや受験など環境の変化が影響し、
「あれ?去年はもっとしんどかったのにな」
「今年はなんかしんどいぞ」
というような事が起こり得ます。
私も実際クラス替えをきっかけに体調が良くなることがありました。
良くも悪くも年齢や学年が上がると状況が変わり、ストレスの変化に繋がって体調に影響を及ぼすことがあるのです。
まとめ
波がある事をあらかじめ理解しておくことで、避けられるストレスや建てられる対策もあるのではないでしょうか?
例えば学校の出席日数が…という人は、時間割や天気予報とにらめっこしながら予定が立てやすくなるかもしれませんね。
少しずつ、起立性調節障害との上手な付き合い方を模索してみましょう。